10月21日は診療を休診とさせていただき学会に参加してきました。口腔外科専門医の更新に必要な単位を取得する必要があり、総会は主要な位置づけとなります。大学、病院に勤務する先生方は日ごろの研究の成果を発表する晴れの舞台でもあります。
朝起きて金沢駅からサンダーバートで一路京都へ、指定席を購入していたので発車時間ギリギリに駅に到着、自由席を見ると結構立っているお客さんがいるのにびっくり。関西方面へは交通の利便性は悪くないはずなのにこれだけ混んでいるとは、早期の関西方面の新幹線開業を願います。会場は京都の北のはずれ、地下鉄で20分くらいかかるでしょうか、京都駅は多くの人で混雑していましたが会場まで行くと学会参加者を除くとひっそりとしており、おまけに雨まで降り出し少し寂しい雰囲気となりました。
時間の関係で少ししか拝聴できませんでしたが、歯科用CTのランチョンセミナーと口腔3学会合同シンポジウムを重点的に聞いてきまいた。
歯科用CTは当院でも導入を検討していますが、何せ高価な器械でなかなか契約の決断できていません。最近では比較的安価な器械を発売するメーカーもあり導入へのハードルが下がってきているような気がします。そのなかで、高価なのはそれなりに理由があり、画像精度を求めるならそれなりの器械を導入する必要があると述べられました。複合機のレントゲン装置は照射角度が通常のレントゲン撮影とCTでは異なり、どちらかに合わせると片方が犠牲になりその中で撮影するとやはり限界あること、また画像処理方法にしても差があり、条件が悪いと本来正常な部位に影ができるところがあり、誤診につながりかねないことを述べられていました。
シンポジウムでは2017年にWHOの頭頚部腫瘍分類の改正があり、今までの分類と改正された分類の相違について議論されていました。そもそも、口腔がんのほとんどは正常細胞がいきなりがん細胞に変化することはまれで、正常細胞が形を徐々に変化させてがん細胞に変化していきます。変化の途中をこれまでは3つのGrade(mild,moderate,severe)に分けられていましたが、Gradeによっては特にmoderateの場合は積極的に切除するか、経過観察するか議論が分かれていました。それを将来的に癌化の可能性に応じて2分類にすることで治療方針をわかりやすくするというものでした。おそらくこの分類を導入した施設からの検討が次の学会から発表されると思いますが、注意深く見守っていきたいと思います。
家庭の事情で帰る時間になったので再び京都駅へ、電車の時間まで少し時間があったのでヨドバシカメラをぶらぶらと、金沢にはあれほど大きな家電量販店はないので時間つぶしには最適です。帰りのサンダーバードがらがらで、行きと大違い。慌ただしい学会報告でした。いつもは遊びのブログばかりなのでたまには少しだけまじめな内容にしてみました。