診察内容
基本方針
なんぶ歯科クリニックでは、患者さまが一番困っている症状や病態、また治療の希望を把握するために、 全身的な病気を含め、コミュニケーションを重視しております。
初診の時
症状発症時から現状に至るまでのお話を伺い、治療方法をご提案します。
それぞれのメリット・デメリットに関しても説明し、納得していただいた上で診療いたします。
受診の時
疑問や不安、または、ご要望がある場合は、遠慮なくお伝え下さい。歯科スタッフが当たり前に思っていることでも、患者さまには分からない、伝わらないということがたくさんあると思います。
どのような疑問にも、できるだけわかりやすくお答えいたします。
治療内容・期間
特に治療内容・期間については、できるだけ患者さまの希望に添うように対処いたします。
治療費は審美的な治療(歯を白くしたいなど)、インプラント治療、矯正治療(歯並びの治療)などを除いて、健康保険が適用されます。
ご相談のみ、セカンドオピニオンについてもお気軽にご連絡ください。
口腔外科専門医ですが、治療は偏ることなく全ての患者さんの歯の状態や症状、全身の状態などを考慮し治療を行います。
お願い
- 基礎疾患のある方、また他の医院や病院にかかっていて、お薬を処方されている方、定期的に注射をされている方(骨粗鬆症、ガンの治療など)はお薬手帳をご提示いただくなどして、必ずお知らせ下さいますよう、よろしくお願いいたします。
- 予約の時間はお守りください。
- 予約の変更・キャンセルは早めにお知らせください。
急患
歯の急な痛み、怪我による外傷などでお困りの場合、事前に電話でご連絡下さい。
状況をお聞かせいただくことで、応急処置の指示や、当院での処置のために必要な準備をすることが出来ます。怪我をされた場合、なるべく早くお知らせください。
休日の場合は、金沢市歯科医師会のWebサイトで休日当番医をご確認ください。
ご自身に合った歯みがき方法で、
お口の中をコントロール
むし歯、歯周病の原因は口腔内の細菌が原因です。健康な人の口の中でも、細菌が無数に存在しています。歯みがき不足(細菌がいる部分に歯ブラシの毛先が当たっていないこと)により、細菌が停滞・増殖して、むし歯、歯周病が発生することがわかっています。
口の中の細菌を減らすことで、むし歯、歯周病の発生・進行を抑えることができます。お口の健康を維持するためには、患者様に合った歯みがき方法でプラーク(歯垢:歯の磨き残しにより発生した細菌の塊で、歯に付着している白くネバネバしたもの)をコントロールすることが重要であり、むし歯・歯周病の予防につながります。
通院中は、口腔内の清掃状況を確認していますが、治療終了後も定期的なクリーニングをお勧めしています。
虫歯治療
できるだけご自身の歯を温存する治療のことをいいます。虫歯は口の中の細菌が作り出す酸で歯が溶けていく病気です。残念ながら、溶けた歯は一定の水準まで進行すると再生しません。そのため虫歯になっている部分を削り取り、修復する治療が必要になってきます。虫歯は、その進行状況によりC0~C4にまで分類されます。
- C0
- エナメル質が白く濁り歯の透明感がなくなっている状態です。この段階では削る治療は行いません。ブラッシング指導、歯のクリーニング、歯質を強化するフッ素塗布を行い歯の再石灰化を促して自然治癒を目指します。その後定期的に経過観察し、症状が進んだ段階で歯を削る治療を行います。
- C1,C2
- エナメル質が溶け始めた状態、C2はむし歯が象牙質まで進んだ状態です。C1、C2の段階ではむし歯を削り取り、削った部分が小範囲であればプラスチックの詰め物(コンポジットレジン修復)、中程度の範囲であれば金属の詰め物(インレー修復、CAD/CAM修復⦅削り出しの白い詰め物⦆)をします。むし歯の初期の段階では神経を温存させることができます。
- C3
- むし歯が歯髄(歯の神経)にまで及ぶ、大きく穴があいた状態です。神経の痛み(冷たいものでの激痛、温かいものでの痛み、何もしなくても痛いなど)が発症している場合は歯の神経を取らなければなりません。神経の治療の後は補綴治療が必要となります。
- C4
- むし歯によって歯冠が溶かされ、歯根だけが残った状態です。歯髄が死んでしまっていることが多く、痛みを感じない場合もありますが、放置しておくと歯の根に膿をつくってしまう場合がありますので、早めの治療が必要になります。歯根が残せる場合はC3と同じ抜髄処置を行います。歯根が残せない状態まで進行している場合は、残念ながら抜歯する場合もあります。
歯の状態に合わせて、以下のような治療を行います。
コンポジットレジン修復
小範囲のむし歯の場合、虫歯のみを切削機械で除去し、削った部分を歯科用プラスチックで埋めます。この歯科用プラスチックは、歯の色に近づけることが可能です。この治療法は、むし歯が深部まで達していない場合、1回で終了します。
インレー、クラウン、CAD/CAM修復
中程度の範囲のむし歯の場合、虫歯を切削機械で除去し印象剤(粘土のような材料)で型取りを行います。歯科用金属で詰め物を作製し、セメントで合着します。この治療法は、型取りを行いますので2回かかります。
抜髄処置(歯の神経治療)
虫歯が歯の中にある神経にまで達している場合、神経を取り除く必要があります。いわゆる根っこの治療です。弱っている神経を削り取り、そこに炎症を抑える消毒薬を入れます。炎症が治まる(痛みや腫れがなくなる)まで、間隔をあけて消毒薬の交換をします。むし歯の状態にもよりますが、神経の治療だけで最低でも2~3回かかります。 その後(コンポジットレジン修復やインレー修復、または後述の補綴治療などの)詰め物やかぶせ物の歯を作る治療が必要となります。神経を取り除いて抜髄処置した歯でも、何年か経過すると根の先に炎症を起こし膿がたまってしまうことがあります。この場合かぶせ物を除去し、もう一度根っこの治療をする必要があります。
感染根管治療
根の先にできた膿を消毒し、膿を改善させる治療です。かぶせ物を除去し、きれいに掃除した根っこから消毒薬を届けます。膿が改善するまで最低でも3回ほどかかり、その後(コンポジットレジン修復やインレー修復、または後述の補綴治療などの)詰め物やかぶせ物の歯を作る治療が必要となります。
以上の治療で症状が改善しない場合には、歯根端切除術、抜歯などの口腔外科処置が必要となる場合があります。
歯周病治療
歯周病とは歯を支える歯周組織の炎症で、症状としては歯肉からの出血・腫れ・膿が出る・食事など噛んだ時に痛みが出る・口臭がする・歯肉がジクジク痛む・歯がぐらつくなどがあります。歯は歯槽骨という骨に支えられていますが、細菌により歯肉が炎症を起こした状態をそのまま放置すると、歯を支える歯槽骨が溶け始めます(骨の吸収)。これが歯周病の始まりです。
歯周病は(静かな病気)と言われ、初期ではあまり自覚症状はありません。しかし、痛みなどの症状がないからといって放置すると歯を失ってしまうこともあります。
歯周病は、糖尿病、呼吸器疾患、内臓疾患、心血管疾患など全身疾患との関係や妊婦さんの早産にも関係することがわかっています。
歯周病は早期治療が重要になってきます。喫煙されている方は歯周病に罹患しやすいので、禁煙されることをお勧めします。
歯周病の進行
歯肉炎
歯周病菌が歯と歯肉の間に入り込み、プラークや歯石がたまり始める。
歯肉炎(軽度)
歯と歯肉の間に歯周ポケットができる。歯周ポケットにプラークや歯石がたまる。
歯肉炎(中度)
歯周ポケットが深くなり、プラーク・歯石がさらにたまる。歯肉が腫れたり出血する。
歯肉炎(重度)
歯槽骨が溶けはじめ、歯を支えられなくなる。歯がぐらつき、最終的には抜けてしまう。
ブラッシング指導
歯周病治療の基本は、原因となっている細菌を取り除くことです。それには毎日の歯みがきが大変重要になってきます。
成人の歯は28~32本あり、それぞれが複雑な形をしています。手探りで磨いていると、必ず磨き残す部分ができてしまい、そこに歯石・プラークが付着します。毎日の歯みがきでしっかりプラーク・細菌が取れるように、患者さまそれぞれのお口の状態に合った歯ブラシの選び方、歯ブラシ・歯間ブラシ・フロスなどの当て方、磨き残し部位の説明をします。必要に応じて、染め出し液を使って汚れが取れていないところを見ていただきます。
適切な歯みがきのアドバイスを行い、歯肉の腫れ・出血などの症状を軽減させ予防します。何度も歯みがきのアドバイス、使用方法、磨き残し部位の説明をさせていただきますが、この繰り返しを行うことで、歯みがきの上達につながります。歯周病の原因となる細菌を除去する事で、症状の改善を目指します。
歯垢・歯石除去
歯の汚れは、歯垢・プラークと呼ばれるまだ柔らかい状態を放置しておくことで硬い歯石という状態に変化します。歯垢・プラークの状態であれば歯ブラシで除去できますが、硬い歯石になると歯ブラシでは除去できません。専用の機械を使用し、歯石の除去を行います。
まず、歯の表面の歯石を除去します。さらに、歯肉の中にも歯石が付着している方は、歯肉の中の歯石も取り除きます。歯肉の中の歯石を一度に除去すると、疼痛、歯肉炎、歯肉出血を発症させる危険性もありますので、数回に分けて行います。
歯周外科
細菌が歯肉の奥深くに入り込み、ブラッシングや歯石除去では腫れが改善しない場合は、麻酔をして歯肉の中の歯石や腫れている歯肉を取り除きます。
予防歯科
歯のクリーニング
歯ブラシと、超音波スケーラー・エアフローなどを使って歯垢・歯石・色素沈着を除去します。
ブラッシング指導
患者さまそれぞれのお口の状態に合った、歯ブラシの選び方、歯ブラシの当て方、磨き残し部位の説明をします。必要に応じて、染め出し液を使って汚れが取れていないところを見ていただきます。
フッ素塗布
歯質を強化し、歯の石灰化を促すフッ素を塗布します。
フッ素の働き
フッ素には大きく3つの働きがあります
歯の質を強化
フッ素が歯に取り込まれ、むし歯に強い(溶けにくい)歯を作ります
再石灰化で初期むし歯を修復
自然治癒が可能な初期のむし歯では、治癒を助けることができます
むし歯の原因菌の活動を抑制
フッ素が歯垢(プラーク)に入り、歯を溶かす酸が作られるのを抑えます
口腔外科
抜歯、歯根端切除術、歯肉・粘膜病変の切除、顎関節症、口腔周囲疾患などの治療を行います。
全身的な疾患に罹患されている患者様の外科治療は、必要に応じて医科主治医と連携して行います。
抜歯
- 虫歯が歯肉の中まで罹患している場合
- 歯周病により歯がぐらぐらしている場合
- 歯並びから著しく突出して萌出している場合
- 歯が原因で歯肉が腫れている場合
- 歯の根が折れている場合
上記のケースは残念ながら抜歯が必要です。歯の状態にもよりますが、麻酔開始から縫合まで20~30分程度かかります。
親知らずの抜歯
親知らずは、前から8番目の歯で、通常の人では口の一番奥にあります。歯ブラシを当てることが難しく、親知らずが原因で歯肉が腫れている場合、ほかの歯に虫歯などの影響を与えている場合に抜歯が必要となることがあります。
親知らずは、歯の根っこが曲がっていたり、横に生えていたりすると、抜くのに時間がかかります。歯が深部にあり手術侵襲が大きい場合や、処置に不安を感じる患者様は、入院施設での治療をお勧めする場合があります。
歯根端切除術
根の先にできた病巣を外科的に摘出、掻爬(病巣を掻き出すこと)し、根の先の原因を除去します。根の治療で改善しない場合も、この処置を行う場合があります。歯根端切除術でも改善しない場合は抜歯する場合もあります。
嚢胞摘出
顎の骨の中や口の中に袋状の病変が発症した場合、大きくなる前に摘出したほうが良い場合があります。
腫瘍病変など
口の中のできものは、良性のものから悪性のものまでかなりの種類があります。病変に応じての治療が必要であり、そのための確定診断が重要となります。
必要に応じて病変から少量の組織を採取し、病理組織診断を行います。悪性病変、または良性でも広範囲な場合は、入院施設での治療をお勧めする場合があります。
顎関節症
口を大きく開けることができない、口を大きく開けるときに痛みがある場合は、治療が必要になります。顎の負担を軽減するマウスピースや薬物療法、生活習慣の改善を行います。
小児歯科
ブラッシング指導、フッ素塗布などを中心とした予防治療が主体ですが、虫歯があれば治療を行います。また噛み合わせのチェックも行います。
治療やメンテナンスを怖がるお子さんに対しては、丁寧にコミュニケーションを取ることで、リラックスして受診してもらえるように努めます。
補綴治療ブリッジ、義歯など
歯全体が崩壊している場合(歯の一部だけに詰め物をするインレー修復とは異なります)や、抜歯した後に歯を作製する治療です。
前装鋳造冠(前歯の治療)
全部鋳造冠(奥歯の治療)
CAD/CAM冠(歯の状態によります)
歯の全体がむし歯になっている場合や、虫歯が歯の神経に達している多くの場合の治療で、虫歯を除去した後に型取りして、かぶせ物をする治療です。歯の多くが欠損している場合、歯の土台から作る必要があります。CAD/CAM冠により、保険治療でも白い歯を装着することができるようになりましたが、かむ力が強い方や歯の条件により可否されます。
ブリッジ
1~2歯が連続して抜けて無くなっている場合に、隣り合う健康な歯を土台にして、つなげた金属歯をかぶせることにより歯を作り、噛み合わせを回復させる治療です。この場合、土台となる隣接歯を削る必要があります。その隣接歯は、歯周病でなく、ぐらつきのない健全な歯である必要があります。
義歯
歯の欠損が広範囲の場合や、ブリッジなどの隣接歯を削ることに抵抗がある方は、取り外し式の入れ歯になります。入れ歯の作製期間は約3週間程度(型取り2回、噛み合わせ確認、適合確認、装着)かかります。入れ歯装着後も数回の調整が必要になります。
インプラント
近年、歯が失われたあとの治療としてブリッジ、義歯とともに選択肢の一つとして行われる治療です。
顎の骨の中にチタン製の土台を手術で埋め込み、歯を作る治療です。インプラントは人工物であり、細菌感染に対して抵抗性が弱いため、ご自身で丁寧に歯みがきをしていただき、定期的に通院していただいてメンテナンスを行う事が必要となります。
審美歯科
ホワイトニング、審美的な治療、かぶせ物や詰め物にセラミックなど白くきれいなものを希望される場合は自由診療となります。
ご相談、セカンドオピニオン
設備などの都合上、当院で出来ることは限られてしまいますが、総合病院の口腔外科医として長年勤務し、口腔がん(舌などの再建術・顎骨再建術・頚部リンパ節郭清)・超選択的動注化学放射線療法・粘膜疾患・埋伏歯・大きな外傷の手術(骨折の整復術)など多数経験していることから、当院での診断・処置の後に適切な医療機関に繋ぎます。