現在、日本は超高齢社会に突入し、平均寿命は世界のトップレベルとなっています。
しかし、健康寿命(健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間)はそれよりも短く、厚生労働省によると男性で9.2歳、女性で12.8歳短いと試算されています。
平均寿命が延びているのに、健康寿命が伸び悩んでいる今、関心事は、いかに健康で快適な生活を送るかであり、歯の健康のみならず生活の質を向上させるようなデータが求められています。
歯科に関しては、8020(80歳で20本)達成者が増加した今、日本歯科医師会は歯科医療が目指す方向として「生活を支える歯科医療」を掲げています。
平成22年の国民生活基礎調査の概況によると、介護が必要となった原因として、脳血管疾患をはじめとする生活習慣病が約3割を占め、認知症、高齢による衰弱、関節疾患、骨折・転倒が約5割を占めています。
わが国の高齢者約6000人の追跡調査の結果、加齢に伴う自立度の変化は、男性は約7割が75歳ころから徐々に自立度が落ちていき、約2割は70歳以前に重度の介助が必要となり、残りの1割は80~90まで自立を維持する。女性は約9割は70歳ころから緩やかに衰え、1割は70歳以前に重度の介助が必要となる。70以前に重度の介助が必要となるのは主に脳血管疾患が原因で、徐々に自立度が落ちていくパターンは、骨や筋力の衰えによる運動機能の低下が関連していると予測されている。
近年、口腔の状態の中でも特に歯数が寿命や健康寿命影響することが明らかになってきた。具体的にはどのような結果が出ているか?
~ つづく~