次に、仕上げの家庭用フッ素はどれですか?についてです。
先にお話したように、フッ素剤を塗った場合、濃度300ppm以上を2分以上保つためにうがいの回数・水の量を減らす必要があります。
ご購入いただけるものでいうと研磨剤なしのジェルの方がざらつきがないため、うがいをしなくてもよい。もしくは回数を減らせるという意味でジェルをお勧めします。
赤い歯ブラシが、研磨剤入りのペーストで、青い歯ブラシが、研磨剤なしのジェル歯磨き剤です。
でも、うがいができない年齢のお子様もいらっしゃるので、その場合は薬用成分が同じであるペーストでも効果に違いはなく、ジェルのほうが隙間まで届きやすいかと思いますが、うちでは特にジェルが仕上げ用だと区別していません。
でも、ただフッ素入り歯磨き剤を使っていれば効果があるというわけではありません。食べ物で汚れた歯にフッ素を塗っても、汚れの膜が邪魔をして歯の表面にまでフッ素は届きにくくなるのです。
治療に来られたお母様に「塗れば、虫歯にならない歯磨き粉をください」と言われたことがあります。
どちらからか、そのような便利なものがある!と聞いて来られたようです。
お母様は、お菓子のような感覚でお子さんに与えておけば虫歯予防になると思っておられました。
残念ながら私たちは、汚れた歯でもフッ素を塗れば虫歯にならないというのは難しいと考えています。
まず歯ブラシ(嫌がればガーゼ)での、歯の表面の汚れ落としが第一です。
汚れはバイキンの塊です。
何よりも、歯の汚れをしっかり落とすのが一番の虫歯予防だと思っています。
もちろん
①研磨剤入りでしっかり汚れを落としてからうがいで流し、
②研磨剤なしのペーストやフォームを塗って、その後うがいをしない
というフルコースでできるのがベストなのかもしれませんが、なかなか難しいと思います・・・。
最初、子供さんは歯ブラシをお口に入れることを嫌がるかもしれません。
歯ブラシに慣れるために好きな味の歯磨き剤を使うのも良いかもしれません。
歯ブラシの習慣がつけば、次の目標は汚れ落としも頑張ってみてください。
自分で歯磨きをされる子供さんには、大人が仕上げ磨きをしてあげてください。
そして、歯磨きができたことをほめてあげてくださいね。
次は、クリニックで受けるフッ素塗布の間隔は?をお話したいと思います。