嚥下運動に関する講演について  その1


先日、石川県歯科医師会・石川県栄養士会連携事業・第三回研修会、テーマ「生涯を通じた食べる機能の発達と減退」を聞いてきました。石川県歯科医師会では嚥下運動に力を入れています。嚥下障害とはうまく飲み込めないことで、むせたり、飲みこむことができなかったりすることで、最悪の場合窒息事故のつながり高齢化社会において深刻な問題となっております。運動機能の衰退や、脳神経疾患等により発症しますが、現状よりも安全に口から食事を摂食してもらおうとする動きがみられます。そこで講演の一部を紹介します。

今までの嚥下障害の取り組みについて障害が発生してからの対応が主であったが、今後は嚥下障害になってからでは遅く健康な時から予防を考える必要がある。生涯を通じた「食べる機能」の発達と減退は発達期、維持期、減退期に分けられるが、乳児期に飲み込む運動を学習する順番とは全く逆の順番で高齢者は運動が退化し嚥下障害が発症している。食育とは生きる上での基本であって、知育、徳育、体育の基礎となるものであり、様々な経験を通じて「食」に関する知識と「食」を選択する力を習得し、健全な食生活を実践するこができる人間を育成することである。

食べる機能とは摂食・嚥下機能である。食べるために重要な機能は乳児嚥下にはじまり生後6か月から徐々に成人嚥下になる。嚥下運動は先行期、準備期、口腔期、咽頭期、食道期の5期モデルに分けられ、また固形嚥下(噛みながら少しづつ嚥下する)と液体嚥下(口に溜めて一気にのみこむ)にも分けられる。誤嚥は咽頭期に起こるがその原因の多くは、唾液と混和した食塊を形成することができなくで先行期、準備期、口腔期にある。食塊形形成は歯と舌の形態および運動が調和することが不可欠である。また歯が喪失すると舌の形態が変化することで不調和な運動になる傾向があり、義歯は重要である。機能と共に五感も重要であり、視覚87%、聴覚7%、触覚3%、嗅覚2%、味覚1%の割合で働いている。視覚は見た目で食欲に大きく関与する。聴覚は気導音(空気を伝わる音)、骨導音(頭蓋骨を伝わる音)を感じ、触覚によって食事を楽しむ文化、嗅覚は香り、戻り香で風味を感じ、味わいの記憶の大部分は風味であり嗅覚の記憶である。味覚は温度の影響を強く受けるので注意が必要である。

2014年08月05日